プールの猫さん達 五月雨の合間

丁度一年前、停年退職でプール脇の官舎から引越して行った管理人さんは、庭仕事が上手だった。四季折々、花が咲き続けていた。
この一年間、空き家となり、手入れする人もいなかった。
それでも、四月の初めには、大きな桜の花盛り。ついで、沢山実を付けると言っていた林檎の白い花が満開となった。
五月には、アーチに絡ませた藤の花房がほころび、黄色に朱を混ぜた蔓薔薇も空を指して咲き始めた。
芝生は手入れされない替わりに、 一面、名前を調べようとして果たせなかった赤紫の小さな花に覆われた。 鈴蘭も、数株残っていた。
こう書くと、いかにも長閑そうだが、実は例年にない低温、雨の多い春、それがそのまま初夏へと続いている。
プールの外猫さん達には、長く厳しい冬は去っても、辛い日々は、なかなかおわらない。
極稀に、眩しい陽射しを浴びて、草の陰で丸くなって寝ている姿などを見るとほっとした。
そうしたある日、庭に芝刈り機をかけている音を聞いた。作業着姿の男の人の後ろ姿が見える。
さらに玄関への通路で水まきをしている中年の女性を見掛けた。ふっくらとした体つきが、猫嫌いだったという前の管理人の奥さんとは反対だ。
声をかける。
「あの、今度入るかたですか」
奥さんは怪訝そうにうなずいた。
「庭に、猫がいる筈なのですがーーー」
奥さんは、笑った。「知っていますよ。私達も居る時は、餌を与えているの、ちょっと待って、水をとめるわ」茶色の地味なセーターに、丈夫そうなズボンを履いている。
「うちにも猫がいるのでね、猫は好きよ。黒白の方は、ちょっと、まだ臆病そうね。」
母娘猫で、母親は七歳くらい。二匹とも避妊してあるというと、安心したように頷いた。
夫妻は、すぐに入居するわけではないらしい。その後も、多く鎧戸はしまったままだ。しかし、『おかあちゃん猫』も『娘猫』も、このまま居続ける事ができそうだ。

鵲のゆらりとまりて梢より雨の雫のふりかかりけり

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風邪

カーテンを閉めてはいるけれど、明るい初夏の陽射しの入る部屋で寝ていた。
五月の初め、一時期天気のよかった頃の事である。
枕元で寝ていた孫猫真心子は、突然窓際まで跳んでいった。廂に鳩でも、停まったのかもしれない。
四月半ばから長引いていた風邪。少しよくなると、何かしら外出してしまったためだろうか。咳が続いていた。
倫敦から戻って暫くして、ついに9度3分の熱がでた。
体温計を見つめて、暫し呆然。
以来、大人しく寝ることにした。
思えば、子供の頃からよく風邪を引いては、猫と寝ていた。
二十年程前、巴里に住んで初めての冬、気管支炎を患った。37度の熱に薬局へ解熱剤を買いに行ったら,「それは平熱だ」と、取り扱ってくれなかった。勿論仏蘭西語が通じなかったこともあるだろう。
そのまま寝込んで高熱となった。ふと「このまま死ぬのかしら」と、思った。日本から連れて来た二匹の三毛猫メイ子とジュン子が両脇に寄り添っていてくれた。二匹とも十歳をこえた大柄な大人猫だった。いつも落着いていて頼りがいがあった。メイ子は鼈甲のように黒白茶が微妙に混じっていて、仏蘭西人からとても褒められた。ジュン子は典型的な白地の斑猫。「この子達を置いてはいけない」と、真剣に思った。
最後に寝付いたのは、五年前の冬。口内炎を患った天使猫亜子ちゃんと、聖誕祭から大晦日、正月三が日まで床についていた。柔らかな亜子をしっかり抱きしめていた。
その後、亜子が腎臓病を発病して看取るまで、一度も発熱しなかった。
鳩はいなくなったか、真心子が枕元に戻って来た。手を差し出すと、丁寧に舐めてくれた。
これが、一番のお薬だろう。

鳴き交わす鳩に鐘の音聖母月

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カウフマンのワーグナー

丁度一ヶ月ほど前、倫敦フェスチヴァル=ホールで、ヨナス=カウフマンの独唱会を聞いて来た。前半ヴェルディ 後半ワーグナー、どちらも素晴らしい出来だったが、何と言っても、ワーグナーは彼の独壇場だった。プログラムの挨拶にもみられるように、母国の作曲家ワーグナーへの彼の愛情には、並々ならぬものがある。「ワーグナーの音楽を知的とみる人々もいるが、彼の音楽を愛する大多数の人々は、頭ではなく心で愛している」という彼自身、小さな頃からワーグナーを奏でて歌う家族に囲まれて育っている。
同宿して一緒に独唱会に行った友人は、大のカウフマン贔屓。朝起きるなり、「我が父は、パルシファル、我が名は、ローエングリーン」を、聞いていた。
彼が歌うと、ワーグナーの浪漫的な魅力が納得できる。 バリトンの響きとテノールの繊細さを備えた声が、うねるように続く旋律の豊かさを伝えてくれる。 自然な発声が、独逸語の美しさを再発見させてくれる。
せっかく希有なワーグナー歌手が居るのだから、舞台芸術として充分楽しめるような舞台を、いつか観てみたいのだけれど。
最近カウフマンが出たスカラ座の『ローエングリーン』もメッツの『パルシファル』も、演出に恵まれていたとはいえない。有る意味でワーグナーの歌劇程、不当な演出の犠牲になっている作品は少ないかもしれない。巴里オペラ座の『ローエングリーン』『タンホイザー』『トリスタンとイゾルデ』『ラインの黄金四部作』総て、音楽に対する冒涜のような演出だった。(昔みた『彷徨えるオランダ人』だけは、よかった。)
ワーグナー生誕二百年にもかかわらず、巴里では、魅力的な企画が少なかった。
ゲーテ文化館の講演と音楽会が、おそらく一番興味深かったのだが、すでに満席だった。
今、読み直しているプルーストもワーグナーを好きだったらしい。

遅咲きの桜か白く窓の外倫敦郊外バスは揺れつつ

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こんにちは

こんにちは。

マミーちゃんの孫猫真心子です。
すっかりご無沙汰してしまいました。
申し訳ありません。
いつもご訪問、本当にありがとうございます。
真心子は、とても元気です。
マミーちゃんも、大丈夫です。
いろいろ楽しい事、考えさせられる事柄あったそうです。
(真心子は、いつも通り,遊んで眠って食べていましたよ)
また、少しづつブログに書いて行くそうです。
(真心子も、コンピューターの上に乗って『書きなさいよ』と、言っています)

今後ともよろしく御願いいたします。

今日の巴里は、静かな雨模様。
どうぞ爽やかな五月を御過ごしくださいませ。
               孫猫真心子

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