『ボエーム』展

母の一番好きな歌劇はプッチーニの『ラ=ボエーム』。「最後にロドルフォが『ミミー』と叫ぶと泣きたくなるの」と、言っていた。自身の波乱に富んだ実人生とは反対の、若く貧しい二人の純愛に憧れていたのかもしれない。
すでに終ってしまったが、グラン=パレの「ボエーム展」は、いい展覧会だった。一階は、ボエーム本来の「流浪の民」としての歴史、二階が歌劇『ラ=ボエーム』に代表される巴里の芸術の徒達の周辺。カルーソンの演出で、展覧会自体に一つの舞台の趣があった。
一階には、エジプトの彫像から現代まで ボヘミアン、ジプシー等と呼ばれた人々を主題とした芸術作品。絵画が主だった。「占い師(ジョルジュ=ド=ラトール)」等著名な絵もあるが、マネやゴッホのあまり知られていない作品もあった。19世紀、モルランドの描いた野宿の人々の日常生活に惹かれた。メリメの『カルメン』は、ビゼーが歌劇化、ローランプチがバレー化している。白山羊と一緒に描かれたエスメラルダは、ユーゴー『ノートルダムのせむし男』の女主人公。ローラン=プチによってバレー化もされている。西欧芸術の源泉の一つとなった彼らに正統な地位を与えたいという企画者の意図が、理解できる。
二階には、「冷たき手を」が流れている。またリスト(彼にはジプシーの血が流れていたと言う説もあるらしい)を初め、音楽への影響も展示していた。文学ではボードレール、ランボーも精神的放浪者として名があがっていた。
印象に残ったのは、特注したのか、使い古しの画架に乗せた絵を並べた一室。貧しい画室内が主な主題だ。 例によって、猫の出て来る絵を探す。(一階にはなかった。旅から旅を続ける本来のボヘームには、猫よりも犬のほうが似合ったのだろう。) 暖炉の前に脚を投げ出して俯く青年。その脇に白い猫。失意の芸術家を慰めるのは、やはりふわふわ柔らかな毛。 作者は。26歳で亡くなっている。認められないままに死んで行った多くの芸術家、もしくは芸術家を夢見た人々が、 出入りしたシャンソニエや珈琲店も再現されていた。
出口までの短い通路は暗く狭かった。
第二次世界大戦では、多くの流浪の民が、収容所に送られ悲惨な最後を遂げている。

雨の音重く目覚し冬の朝

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