ギメ美術館の茶

延長会期の最後の日曜日、それでもギメ美術館入り口前に長蛇の列ができているのには、驚いた。「茶の歴史」に関心のある仏蘭西人がこれほどいようとはーーー。
地下の特別会場。やや異質の展示会だからだろうか。会場の外でも写真パネルで製茶法を説明したり、多種多様の葉茶を並べて、実際に見たり香りを聞いたりできるようにしている。その一角で提供される御茶を飲むのを楽しみにきた。前回は、色も香りも濃い中国茶の一種だったが、今回は淡い黄色。微かな芳香。皿の盛った暗緑色の茶の葉に矢車草や桜の花、柚が入っている。矢車草は鮮やかな青を保っている。
一応図録も買ったが、仏蘭西語の解説冊子が詳しく、役にたった。
主に中国での 茶の文化。飲茶法の発展に従った茶器、書や絵画 が展示されている。唐代の銀製の茶器などは、今も西欧で使っているのと殆ど変わらないように見える。宋代の天目茶碗や瑪瑙の台、青磁の茶碗や壷、明清代の細かな意匠の急須や茶碗等々、それぞれ美術館で見る事はあっても、こうして茶を中心に集められていると、また興味深い。同じ御茶でも、日本と中国とで、随分異なった道を歩んでいる。それぞれの美意識の違いを、あらためて感じた。
印象に残ったのは、初めて見たチベット等で茶に加える乳酪を作る器具。昔仏蘭西の農村でバターを作った器具とよく似ていた。 厳しい自然の中で、一杯の暖かい茶を啜る人々の笑顔が、髣髴とした。
最後の部屋には、デルフトやセーブル焼。東洋の茶の西洋への浸透を辿って、終った。
会場では、現代の中国系らしい御茶の飲み方が映写されていた。ヴェトナムだろうか。台湾で見た中国茶の煎れ方とも、少し違っていた。 台北で、父の住んでいた家に下宿していた娘さんは、日本語も達者で、「先生、先生」と、父を慕ってくれていた。ある日、訪台中の私に小さな盥のような容器にごく小さな急須、茶碗を並べ、とっておきの烏龍茶を煎れてくれた。お湯を随分贅沢に使うと驚いた。「日本の御茶と全くちがうね」と、父と笑い合った。多分、父が一番仕合せだった頃の、ささやかな思い出である。
帰りに常設展の中国朝鮮日本の部を、一巡する。特別展では、朝鮮についてはあまり触れていなかった。隣国の御茶の歴史も、知りたいような気がする。

雪の日の父の煎れたる一服の茶のぬくもりの今もかすかに

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