近頃の真心子ちゃん

近頃孫猫真心子のすることが、段々天子猫亜子ちゃんに似て来た。
外出から帰って来ると、扉の後ろで待っている。
机に向かっていると、ポンと飛び乗ってきて、いかにも用事ありげに側で見ている。
夜、寝床に入ると、いそいそと枕元に来る。もう、前のように寝台の脇を迂回しない。布団の上から体を踏みつけて、まっすぐ私の顔をめがけて来る。
もちろん、亜子ちゃんとは微妙に違う。
扉が開くと、真心子は少し廊下を部屋の方に戻り、どてんと横倒しにお腹をだしてごろりごろり。亜子ちゃんは、あまりお腹を出さなかったし、仰向けでもじっとしていた。
机の上にあるのは、今はコンピューター。亜子ちゃんの頃は、ワープロ。印刷している紙が出て来るのを、眺めている写真がある。膝の上にいつまでもいた亜子ちゃんと違い、真心子は、肩の上に乗る。まず両手をかけて反対されないとわかるとよじ上って来る。背中に上半身を乗せるから、「ベル=ク 美尾」のあだ名の由来となったふさふさと長い尾が、私の鼻の前で左右にゆれている。
布団の中で、丸くなってくっついて寝るのが大好きだった亜子ちゃんに対し、真心子は、中には入って来ない。体の横か、時には胸の上で寝ている。夜中に眼が覚めて、ふっと手を伸ばして探ると、柔らかな毛が触る。しっとりとしなやかだった亜子ちゃんの毛に比べて、頼りない程細く軽い毛だ。
この毛の手入れも、大きな違い。暮れなずむ空をながめながら、窓辺に休む亜子ちゃんの毛を梳くのは。憩いの一時だった。真心子の毛は、左肩の上に乗っている時、ヴァイオリンでも弾くように、そっと櫛を当てるしかない。
今も真心子は、肩の上にいる。左耳に押し付けた暖かい体の奥から、ゴロゴロ、ゴロゴロ、音が聞こえて来る。時が経つにつれて、一層こまやかな反応を示すようになってきた真心子。
おそらくどの猫も、内には人との深い交流の可能性を秘めているのだろう。

バッハ聴き時を忘れて夕霰

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