プールの猫さん達 春の雪(一)

里見弴の『夢見し雪』を読んで以来、夜中にふと目覚めて、闇の中に音ともいえない気配を感ずると、耳を澄ましてみる。先の夜も、乾いた微かな響きが、途切れなく続いているようだった。
三月も上旬過ぎにーーーまさか。
しかし、翌朝幄を開けると、眼の前の教会の丸屋根も、その向こうの一連の建物の屋根も、真っ白。さらに細かな雪が、霏霏と舞っている。
前の週は暖かかったから、孫猫真心子ちゃんの、ふわふわした毛を鋏で虎刈りにしてしまった。ライオンの鬣のようだった首回りの毛も無くなり、一層童女のようになったばかり。可哀想な事をしてしまったーーー。
冬の間、元気の無かったアロエも、薄緑の葉が伸び始め、台所の出窓に出しておいたがーーー。見事に雪が、肉厚のやや内側の窪んだ葉に積もっている。再び室内へ。
何より心配なのは、プールの猫さん母娘達。週末には、黒白の娘猫が、初めての温かな陽光に、細い薔薇の木の下で丸くなって寝ていたのに。紫のクロッカスも咲いていたのに。 昼過ぎ会いに行く。プールのあるブーローニュの森に積もった雪の白さ。曇り空にもかかわらず、不思議な程明るい。深い雪に脚を埋めながら、何時もの生け垣の下まで駆けて来たまだうら若い娘猫の背の毛先にも水滴が光っていた。
翌朝は、更に深雪となった。30センチ、40センチとも思われる。朝一番に訪れた。相変らず真っ白な雪に、縦に深い穴が、ほぼ一直線に続いている。猫達のいる庭に向かい、生け垣を廻って消えた。何だろう?動物だろうか?
母猫が、庭の奥の玄関先から駆けて来た。かつて優しい管理人さんんが、よく一休みしていた玄関脇のベンチの下に雪を避けていたらしい。普段は、入る事をしないが、この日は、特別に庭木戸を開けて玄関先まで行ってみた。母猫は擦るよってくる。娘猫も近寄って来た。よほど空腹だったのだろう。小鳥の屍があった。まだ血がついていた。もう少し早くくればよかった。小鳥に気の毒な事をしてしまった。
二匹は、器に顔を突っ込んで食べている。
一日経つと、純白の雪の原は、幻のように消えてしまった。樹々の根元、工事現場の材木の下等の残雪が、あの歩く事も困難だった二日間の名残。
今日も娘猫は、元気よく餌を貰いに来てくれた。

藍淡し弥生新月宵の空

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