『シブーレット』レオナルド=ハーン

名前は知っていても、実際に舞台を観たことの無い作品は多い。『シブーレット』も、その一つだった。ただし、事情が少し違う。
もう随分昔、渡仏前に宝塚歌劇団月組で上演されたのを、『歌劇』等の誌面で観ていた。大地真央、黒木瞳主演。浅葱(シブーレット)のように細い田舎娘の陽気な恋物語らしいと、舞台写真を眺めていた。
今回、オペラ=コミックで観て知ったが、『シブーレット』は、あだ名ではなく、 二十歳の 野菜売り娘の本名だった。歌の上手な彼女と、ちょっと軽薄だが魅力的な青年アントナンとの身分違いの恋を実らせるのが、なんと初老となった『ラ=ボエーム』のロドルフォ。
実は、この喜歌劇も、最近再び興味を持ち出したプルーストの世界の一環。作曲者レオナルド=ハーンも脚本家の一人ロベール=ド=フレルスも、初演の前年に亡くなった「失われた時を求めて」の作者の親友だった。
新装オペラ=コミックは、まだエレベーター工事も終っていなかった。床のモザイク、天井や壁の絵、総てが瀟酒で軽やかで、馴染みやすい。有名な『シブーレットのワルツ』や『鈴蘭の歌』の繰り返し部分の楽譜も配られ、舞台に合わせて歌う事ができる。一時間前に行くと合唱の練習にも参加できる。
最初はやや暗い印象の舞台も衣装も最後は、あざといほど華やかになって行く。
台詞も多く、必ずしも覚えやすい曲ばかりではないけれど、全体に流れるような心地好さがある。 初めて聴く歌手達も若々しく、期待を裏切らなかった。
そう、舞台も観客も一体となって、皆が上機嫌となった。隣の桟敷の初老と中年の男性二人組も、いかにも嬉しそうに身を乗り出して観ていた。
この上機嫌さは、最近のオペラに、欠けているものかもしれない。寧ろ、わざと難しく醜くしているようだから 。
舞台となっているレ=アールも、オーヴェルヴィリエも、今ではすっかり変わってしまった。レ=アールは、無機質な建物で、周辺には若者達がたむろし、オーヴェルヴィリエは、畑のある郊外どころか、人家が密集している。僅か百年経っただけなのにーーー。

薄赤く緑帯びたる椿の芽めぶき初めしに春の大雪

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