『ふいごの上の猫』(クリューニー美術館)

クリューニー美術館も、巴里で好きな場所の一つ。狭くて暗く、複雑な印象があるが、内容の豊かさ、一つ一つの作品の奥の深さを思うと、まさに中世美術の宝庫。
有名な『一角獣の貴婦人』が、暫く日本に行ってしまうそうなので、お別れに行く。何時観ても、美しい。一角獣も優美だが、愛嬌のある獅子の笑っているような顔が好きだ。兎や狐や猿、貴婦人の愛犬らしい白い小型犬、皆可愛い。草花も木の実も本物そのもののようで、様式化された不思議な魅力がある。
特別展示は、ディジョンの無恐怖公ジャンの墓を飾る『嘆き悲しむ人々』の小像群。 全部で三十九体。主に聖職者達だが、頭巾を被ったり、反対に天を仰いだり、袖を眼に当てたり、聖書を開いたり、その動作表情が写実的で、今にも動き出しそうなのに、 雪花石膏の乳白色の滑らかな膚が、静かな光をたたえている。
今日は、美術関係の学生が説明をしてくれていた。いままで、ゆっくり見る事もなかった『小麦の聖母子』。 1500年前後の文藝集団が、 詩歌の競演の際に、教会に捧げた聖母子の画像。王侯貴族から囚人まで救う神の意図を実現する聖母子が、小麦畑の真ん中にいる。豊かに実った金色の小麦の穂は、初夏の光と風を髣髴させる。これまでも、何度か書いたが、数年前グラン=パレで催された『フランス1500年』は、実にいい展覧会だった。御陰で、中世末ルネッサンス直前の仏蘭西の様子がよくわかった。この絵にも、ルイ12世とアンヌ=ド=ブルターニュと推定される人物が出て来る。 文藝活動と、聖母信仰と、教会への美術作品の奉納。当時の豊かな文化活動が、若い女性の熱心な説明でよくわかった。
さて、猫。
クリューニー美術館の有名な猫は、絵葉書にもなっている壁掛けの片隅、糸玉にじゃれつく白い仔猫だが、最近は展示されていない。ところが、思いがけなくもう一匹。聖堂の椅子の裏側にいた。『ふいごの上の猫』。聖職者や教会役人が座る木の椅子の折りたたみ座席の裏側には、さまざまな彫刻が施されている。暖炉の火などに風を送るふいごの上で、猫が片足をあげて腹を舐めている。安心しきって、悠然と。この椅子を造った職人の飼い猫かもしれない。

ひっそりと桜咲き初む中つ世の館の裏の庭の入り口

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