カウフマンのワーグナー

丁度一ヶ月ほど前、倫敦フェスチヴァル=ホールで、ヨナス=カウフマンの独唱会を聞いて来た。前半ヴェルディ 後半ワーグナー、どちらも素晴らしい出来だったが、何と言っても、ワーグナーは彼の独壇場だった。プログラムの挨拶にもみられるように、母国の作曲家ワーグナーへの彼の愛情には、並々ならぬものがある。「ワーグナーの音楽を知的とみる人々もいるが、彼の音楽を愛する大多数の人々は、頭ではなく心で愛している」という彼自身、小さな頃からワーグナーを奏でて歌う家族に囲まれて育っている。
同宿して一緒に独唱会に行った友人は、大のカウフマン贔屓。朝起きるなり、「我が父は、パルシファル、我が名は、ローエングリーン」を、聞いていた。
彼が歌うと、ワーグナーの浪漫的な魅力が納得できる。 バリトンの響きとテノールの繊細さを備えた声が、うねるように続く旋律の豊かさを伝えてくれる。 自然な発声が、独逸語の美しさを再発見させてくれる。
せっかく希有なワーグナー歌手が居るのだから、舞台芸術として充分楽しめるような舞台を、いつか観てみたいのだけれど。
最近カウフマンが出たスカラ座の『ローエングリーン』もメッツの『パルシファル』も、演出に恵まれていたとはいえない。有る意味でワーグナーの歌劇程、不当な演出の犠牲になっている作品は少ないかもしれない。巴里オペラ座の『ローエングリーン』『タンホイザー』『トリスタンとイゾルデ』『ラインの黄金四部作』総て、音楽に対する冒涜のような演出だった。(昔みた『彷徨えるオランダ人』だけは、よかった。)
ワーグナー生誕二百年にもかかわらず、巴里では、魅力的な企画が少なかった。
ゲーテ文化館の講演と音楽会が、おそらく一番興味深かったのだが、すでに満席だった。
今、読み直しているプルーストもワーグナーを好きだったらしい。

遅咲きの桜か白く窓の外倫敦郊外バスは揺れつつ

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