風邪

カーテンを閉めてはいるけれど、明るい初夏の陽射しの入る部屋で寝ていた。
五月の初め、一時期天気のよかった頃の事である。
枕元で寝ていた孫猫真心子は、突然窓際まで跳んでいった。廂に鳩でも、停まったのかもしれない。
四月半ばから長引いていた風邪。少しよくなると、何かしら外出してしまったためだろうか。咳が続いていた。
倫敦から戻って暫くして、ついに9度3分の熱がでた。
体温計を見つめて、暫し呆然。
以来、大人しく寝ることにした。
思えば、子供の頃からよく風邪を引いては、猫と寝ていた。
二十年程前、巴里に住んで初めての冬、気管支炎を患った。37度の熱に薬局へ解熱剤を買いに行ったら,「それは平熱だ」と、取り扱ってくれなかった。勿論仏蘭西語が通じなかったこともあるだろう。
そのまま寝込んで高熱となった。ふと「このまま死ぬのかしら」と、思った。日本から連れて来た二匹の三毛猫メイ子とジュン子が両脇に寄り添っていてくれた。二匹とも十歳をこえた大柄な大人猫だった。いつも落着いていて頼りがいがあった。メイ子は鼈甲のように黒白茶が微妙に混じっていて、仏蘭西人からとても褒められた。ジュン子は典型的な白地の斑猫。「この子達を置いてはいけない」と、真剣に思った。
最後に寝付いたのは、五年前の冬。口内炎を患った天使猫亜子ちゃんと、聖誕祭から大晦日、正月三が日まで床についていた。柔らかな亜子をしっかり抱きしめていた。
その後、亜子が腎臓病を発病して看取るまで、一度も発熱しなかった。
鳩はいなくなったか、真心子が枕元に戻って来た。手を差し出すと、丁寧に舐めてくれた。
これが、一番のお薬だろう。

鳴き交わす鳩に鐘の音聖母月

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