朝市から

休暇を過ごす田舎の家からの便りは、やはり朝市から始めよう。ソーローニュとベリー地方(ペイ=フォール 肥沃地方)の境に位置するこの小さな町にも、若干の変化があった。
朝市の開かれる広場の中央で大きな工事が始まっていた。舗装をはずして石畳を敷くらしい。
「朝市はあるかな。」と、心細げなM氏。
「大丈夫、皆なんとかやっていますよ。」と広場の一角の雑貨屋の御内儀さん。
田舎の生活に、朝市は欠かせない。第一に、山羊のチーズ。
村で唯一の本屋さん(此所も店主が変わって、会計の場が移り、新聞が奥に置いてあった)の前のW氏の屋台。「山羊のチーズ、地域品評会金賞」の賞状が貼ってある。初めてだ。何処にいっているのか、W氏の姿が見えない。これも初めて。
氏を待つM氏を残して、広場の方へ。なるほど、工事現場の柵の周囲に車を並べて、店を張っている。いつもの林檎屋さんは、来ていなかった。工事の為と言うよりも、まだ収穫期でないのかもしれない。しっかり者のお内儀さんと太っ腹の御亭主は、この町から大聖堂のあるB市へ向かう街道沿いの村から来ている。雨がちで寒い春だったから、林檎の実は、まだ青く固いのかもしれない。
隣の養蜂家の小柄でほっそりとしたお内儀さん。短く髪をかりあげ、青い瞳、少年のように可愛らしい。
少し物憂そうにみえるのは、気のせいだろうか。蜂達は元気だろうか。蜜蜂が消えると、人類は滅びるそうだがーーー。
天使猫亜子ちゃんの好きだったメロンを、少し買う。
山羊のチーズを籐籠に入れたM氏と落ち合う。
「先月は、二百個も日本に輸出したそうだよ」
ほぼ十倍の値段だと言う。W氏は、益々有名になっていうらしい。
それでもM氏の大好きな生チーズは輸出できない。これは、田舎暮らしの愉しみ、特権。
「オドノー氏は、どうしているかな。」
どちらともなく周囲を見回して呟く。「今年、94歳だね」
教会の鐘が鳴り出した。
これも田舎町の定例、森外れのプールに行く為に、家路についた。

白鳥の十羽並んで泳ぎゆく車窓の下の運河ゆたけし


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