ランス新ルーヴル美術館

仏蘭西人にとりRとLの音は、全く別で間違える事は、あり得ないらしい。ところが、日本人の最も苦手とするのがこの二音。少なくとも私は、未だに『倫敦のL、羅馬のR』と確かめて、M氏の絶望と憐憫の元となっている。
新ルーヴル美術館があるランスはLで、大聖堂で有名なRのランスとは、巴里からの方角も、町の規模も歴史も異なる。葡萄畑が続き文化芸術に恵まれたシャンパーニュ地方に対し、ベルギーとの国境近い北仏の一角は、寧ろ貧しい土地柄らしい。
野原の真中のような駅について、まず驚いた。西部劇で蒸気機関車の到着する場面を思い出した。何となく愉快になった。送迎バスが抜ける家並みも低くつましく,赤煉瓦が多い。どことなく郊外住宅地の外れという風情の一角で、バスが止まった。
まだ整備中の庭の向こうの銀色に光を反射している平屋建ての細長い建物。倉庫かと思ったら美術館だった。
中も無機質に広々している。日本の近現代美術館を髣髴させるのは、王宮や城館等、建物自体に歴史的価値があるわけではなく、展示するという機能性を目的としているからだろう。
「『時の廻廊』は、おもしろいわよ。全然概念がちがうの」
ルーヴル美術学校出の知人が、予め教えてくれていた。なるほど。エジプトの猫の姿をした女神バチスタから、『民衆を導く自由の女神』まで、見通す事ができる。それも一直線ではなく周辺部を充分考慮にいれて、欧羅巴各地、イスラム美術まで配慮してある。『聖セバスチアン』のように見知っている物もあれば、ピラミッドに埋葬されていたらしい小像群を初め知らない作品も多かった。
特別展はレンブラントと彼の同世代画家による欧羅巴王侯貴族の肖像画展。各国の多くの国王やその家族が、他国とも親戚姻戚関係で結ばれていた時代である。生涯の一時期しか表していない肖像画とはいえ、その背後の歴史的事件を想像しながら観て行く事は楽しい。実は、レンブラントはあまり好きな画家ではないのだけれどーーー。
外から観ただけでは、さほど見栄えのしない、大きくもない建物の中に、歴史と文化の遺産が豊かに詰まっている。まだ若木のような庭木が生長したら、緑に囲まれた公園美術館となることだろう。

金雀枝の華やぎ愛ずる旅こころ

にゃんわんプロジェクトへ


東北地震犬猫レスキュー.comborder="0">


にほんブログ村 猫ブログ 猫 海外生活へ
にほんブログ村



Profil

桐の葉も

Author:桐の葉も
Bienvenu à FC2 Blog !

Derniers articles
Archives mensuelles
Catégories
Recherche
Lien