『新十八史略』(駒田信二)他

『古代支那青銅祭祀器』展に触発され、最近偶々手に入った中国史関係の本を繙く。まず『宦官物語』(寺尾善雄)。中国文化通の師が、「気持ち悪くなるかもしれないけれど」と、貸してくれた。実際、夜などは読まない方がよかった。幼帝殺しを初め陰湿残虐な権力争いを起すこの制度が、延々四千年間続き、清朝末期にもその最も過激な形の一つではびこっていたとはーーー。律令を初め中国を模倣した日本が、宦官制度を取り入れなかったのは、幸せだった。
ついで『新十八史略』全六巻。駒田信二、常石茂を初め錚々たる学者が、執筆編集に携わっている。各章が分担されているから、それぞれ個性がでているのかもしれないが、全体には中庸を守った記述で統一されていて読みやすい。神話時代から元までを取り上げている。ここでも、宦官と外戚、官人による宮廷内外の権謀術策は蓚酸を極める。さらに外敵、侵略征服等も加わり規模が大きくなっている。王朝興亡の政治史が主だが、 学校でよくとりあげる時代に挟まれた、周代や春秋戦国、南北六朝、五代十国が、詳しく説明されていてよかった。
六朝や唐代では、文学、特に漢詩も扱われていて、ほっとする。漢代からの西域、東西交流は、井上靖や岩村忍を読みふけった頃を思い出させる。
八月に三周忌を迎える夭折した猫好きブログさんが、曹操贔屓だと、書いていた。それで、特に三国時代は、興味深く読んだ。 昔読んだ子供向けの『三国志』は、すっかり忘れてしまっていた。その登場人物については、『三国志の世界』(駒田信二責任編集)。 曹操 は、読書家の彼女が好きなだけあって、文人としても優れていた そうだ。班固三兄妹、書画でおなじみの竹林の七賢などもとりあげられていた。『諸葛孔明』(植村清二)は、広く孔明の生きた時代背景を扱っていて、歴史書としても充実している。敵役 曹操父子にも筆を割いている。赤壁の戦や『三国志の世界』では、少々感情的すぎるのではないかと思った曹丕 曹植、また英雄視されやすい劉備関羽張飛についても常に中正を保つ冷静な叙述である。
歴史の残酷な面をとりあげれば、古今東西切りがない。科学の発達した現代史の方が、実は更に恐ろしいとも言える。
少なくとも中華歴朝は、その想像を絶する長い歴史の間に、多彩で豊かな文化を生み出して来た。亡父遺愛の『中国詩人選集』から『曹植』や『王安石』『蘇軾』を取り出す。彼らも、変転きわまりない中国史の渦中に生きた人人である。

一雨の 来るかと紫陽花 いろ淡く

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