『この子が、いるよ』

『絶世の美女』は、ともかく、孫猫真心子ちゃんは、とても性格のいい猫だ。
咋年の夏休みの終わりに、真心子ちゃんの生家「あっちのおばあさん」G夫人の家へ、電動のこぎりを返しにいった。伸びすぎた生け垣の貝塚伊吹を剪るようにと、折角貸してくれたけれど、私の力では、ちょっと使いこなせそうもなかった。
どちらにしても、五匹の猫達、真心子ちゃんの子供や孫に会いに行く約束なっていた。
今年86歳の夫人は、脚は悪いが矍鑠たるもの、猫を可愛がる点では、人後に落ちず、記憶力は抜群。三人の息子も娘も同じ町に住んでいる。
掃除の行き届いた明るい居間には、家族の写真が所狭しと飾ってある。
「これが、私の両親。これが、子供達の小さな時。この娘が、今肉屋をしている孫の母親。かわいそうに、若くして未亡人になってしまって。これが、主人の父親。これは、主人の母親と主人。三人とも、私がこの家で看取ったのよ。最後まで。」
骨張った大きな手で写真を指差すG夫人の眼は、どこか誇らしそうに輝いている。
夫人の亡夫は、がっちりとした大男。80過ぎまで、元気だったが、最後は、やはり寝台にいることが多かった。
「ちびちゃんと、とても仲がよくてね」
「ちびちゃん」は、真心子。いつも布団の上に寄り添って一緒に寝ていたそうだ。
「ある日、看護婦さんが、いつものように注射に来たの。たまたま家の中に、誰もいなくてね。それで、『今日は、お一人ですか』って。そうしたら、主人が、何て答えたと、思う、『この子が、いるよ』って。ちびちゃんを、指してね。」
真心子は、G氏が、息を引き取った時も、寄り添っていたという。

つかの間の冬の青空しら雲をかすめて飛びかふ鳥の一群(むれ)


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