幻の鳥の声

フュッ フュッ フュイ
鋭い響きに眼がさめた。
鎧戸のすぐ外側で聞こえたようだ。もう一度
フュッ フュッ フュイ
何て、上手な口笛だろう。布団の上に寝ていた孫猫真心子が、身体を起した。
ホッ、ホッ、ホー。
森鳩が答えている。
昨夜、隣家に来客があったようだから、泊まり客の中に鳥好きの口笛の名人でもいるのだろうか?それにしてもーーー。
フュッ フュイ、フュッ フュイ、
少し離れた感じで、澄んだ高い音色は続く。違う、口笛ではない、鳥の囀りである。
時計を見ると六時過ぎ。
窓を開ける。真心子が、窓枠に飛び乗った。水浅葱色の空、白い絹雲、塀際の月桂樹の木立越しに隣家の菩提樹、その向こうには、どの家の裏庭かいまだにわからないが、杉の大木が聳えている。
フュッ フュイ、フュッ フュイ、
声は、そちらの方から聞こえて来る。ともかく、初めて聞く啼き声だ。
父遺愛の野鳥の図鑑は巴里に置いて来てしまった。インターネットで 「鳥の声 フュッ フュッ フュイ」と検索したけれど、流石に出て来ない。その間も、
フュッ フュイ、フュッ フュイ、
は、続く。ホッ、ホッ、ホーに混じって、ピルピルピルーと言う聴きなれた黒鶇の囀りも始まった。それらに混じって、フュッ フュッ フュイは一際澄んで力強い。
小鳥達の合唱がいよいよたかまって、突然消えた。
次に森鳩が鳴き出した時には、もうフュッ フュイは、聞こえなくなっていた。
明日の朝、再び聞く事ができるだろうか?

幻の鳥の音葉月朝まだき空の底より白みゆくかな


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Author:桐の葉も
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